稽古日誌
2019/09/02
今日の稽古は一度体験稽古を経験した小学3年生のMちゃんが、入会してくれて最初の稽古です。前回、彼女がとてもセンスがいい、と言う認識はありましたが、さて、今大人の人たちが稽古している型を、そのまま出来るのか、当初そんな気掛かりがありました。
結果はそんな懸念を払拭してくれました。下の写真をご覧ください。
何故このようなことが起きたのか、わかりますか。Mちゃんは、生まれながらに持っている軸と柔軟なからだ(表裏一体の体)を持ち合わせていて、尚かつ相手を投げようとする邪な心を持っていません。合気道の稽古の、まさにあるべき姿を見たような気がします。大人の人たちは、最初に入り身した時の自分のからだの状態を観察してみて下さい。余分な力が入っていませんか。入るときの心の状態はいかがですか。
下の写真は、私が彼女の腕を上方に上げています。この写真では少し彼女の攻めが入っていますが、只立ったままで、私が腕を上げようとすればするほど、私の体が崩れるのです。腕が上がらない稽古をしただけなのですが、想定外の収穫がありました。初めての経験です。(私の受けとして)
下の写真は、皆さん良くご存知の、片手取り呼吸投げです。腕は、ボールを抱えている姿をイメージしています。その腕を私は上方へ上げるべく攻めています。体の転換が始まりますが、顔を180度反対方向を見るだけできれいな転換が出来ています(腰を回していません)。見事に私の体は流されて導かれています。最後の決めも腕づくでは無いので、自然に受けが取れます。これだけの身長差があっても体が立ち直ることはありませんでした。こうした受けが取れたのも、この十年間では初めてのことです。
2019/09/09
今日は3回目の稽古です。
下の画像をご覧ください。素晴らしい感性だと思いませんか。
今日言いたいのは、感性を十分に働かせ、見たままのものを(頭を使わないで)自己の体で表現してみると言う事です。見取稽古は、いかに感性を高めていくかに尽きると思います。
下の写真は、私が彼女の腕を掴みに行った瞬間、稽古もしていないのに、私が他の人にやったのをみて出てきたわざです。これが体験稽古を含めて三回目の出来事です。信じられますか、普通信じれないですよね。
下の写真は片手取一教です。手だけで誘っていません、体で、もっと言えば心で誘っています。彼女は、私の外見だけでなく、内面をもコピーしています。実際受けを取ってみると、この小さな懐へ吸収されているのを感じることが出来ます。その後、体が前に進む(入り身)と、この小さな体でもかなりの体圧を感じます。
下の写真は、上の写真を取った後、受けをかわった時に自然発生したものです。受けの肩が抜けていないので、このようなことが起こりました。体圧を受けた時、体圧を吸収するために、受けは本来なら肩の力を抜いて一教の受けを取るべきなのです。これが型稽古なのです。
2020/1/20
今日で17回目の稽古になるMちゃんが、見事師範代デビュウ。
片手取呼吸投げの稽古の時、相手のKさん(有段者)に対して、腕がきつい、乃至は腕に力が入っている、と指摘、腕の使いかたを指南していました。「上がった手は落ちるに任せてこのようにやるんだよ、力で落としてはいけない」と実演を交えての指導?でした。
さらに驚くことがありました。
上写真の稽古、(相半身で片手を取りに来てもらい、相手を自分の懐に入れるべくを背中立てます、そうすると受けはその仕草に反応し仰け反ります)をしていたときのことです。「Kさん、形だけやっていて、心が通っていない」と言ったのです。事実、Kさんの場合、Mちゃんにも、私にも何も伝わってこないのです。Mちゃんの場合、Kさんも、私も普通に受けを取ります。
上の連続写真を見れば、彼女なら、と推察できますよね。
2020/11/02
座技正面打ち一教の稽古でのことですが、上のMちゃんに対して技が通じないのを経験しました。瞬時に、私の心の内を読み取った見事な反応でした。いつも口にしている、「相手を押さえようとか、投げようとか目論む心を捨てる」ことが出来ていなかった証です。
2020/11/9
今日は全くの未経験者が体験稽古に参加してくれました(Nさん、男性)。一応ホームページには目を通して頂いたということなので、①軸が出来ると、只歩くだけでそのエネルギーを相手に伝えることができる。(入り身)②相手を円転に導いて外に出すと中に入ってくる。(転換)③重力を味方につけると簡単に相手を抑えることが出来る。(一教の押さえ)を見て貰い、受けと取りを経験していただきました。
合気道が自然の恩恵に預かるものであることを理解、体験できたと思います。
中でも、小学生のMちゃん、(昨年九月入会)その妹Rちゃん、(今年6月入会)を受けにした時に、Mちゃん、Rちゃんが受けを取ってくれない事にはNさんも驚きを隠せない様子でした。
表裏一体、均一な体が出来ていない場合、それが出来ている相手には(小学生の二人には持って生まれたままの体が備わっている)形だけ真似ても通じないのです。(2020/1/20のKさんの場合と同じです。)
この二人はNさんを受けに、見事に自由技をも見せてくれました。見事です。Nさんの受けも素晴らしかったです、運動神経がいいのかもしれません、初めての人にはなかなか難しいものです。
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